保育士 O さん

公立保育園 保育士 Oさん
短期大学 幼児教育学科 卒業

「保育士」になりたいと思ったのはいつですか?また、選んだ理由も教えてください。

4 人きょうだいの長女で年下のいとこも多く、いつも子どもに囲まれており、小学生の頃から自然と 「保育士になりたい」という夢が芽生え、段々とその想いが強くなっていきました。そのまま、高校卒業まで揺らぐことなく、現場と理論の両輪で実践的に学びを深めていきたいとの想いもあり、夜間の短期大学に進学。
昼間は保育補助として公立保育園でアルバイトをするなかで、結婚や出産など女性としてのライフキャリアを重ねてもなお、保育士人生を生き生きと、しかも息長く歩まれている人生の先輩方の姿に、強い憧れを抱くようになりました。 同時に、それまで漠然と「なれたらいいな」と考えていた「公立保育士」が、いつしか自分の目指す道として明確になっていきました。
「生まれ育った、愛着ある大好きな地元で」保育士を一生の仕事にしていきたい!
「さまざまなライフキャリアを重ねながらも、未来を担う子どもの育ちを支え、見守りつづけていきたい!」との想いで、地元の公立保育士を志すようになりました。

昼間働きながら夜間に勉強をする日々はとても大変だったと思います。卒業するまで、どのように工夫して成果を出したのでしょうか。教えてください。

毎朝 7 時頃には出勤、授業を終えて帰宅すると、翌日がすぐ目前に迫る時刻といった日々を過ごす中で、体調管理はもちろん、日々の課題や勉強、採用試験に向けた準備、その勉強などに充てる時間を捻出することが大変でした。
体調管理の観点から毎晩の睡眠時間は原則削らないと決め、まずは毎日 4 時間の通学時間をどう過ごすか見直しました。通学の電車内で過ごす時間は授業の予習復習に充て、無理のない範囲で実践し続けた結果、負担なく知識も自然と定着していきました。
その甲斐もあり、それまではテスト勉強や採用試験に向け割いていた時間が短縮できただけでなく、空いた時間に他のことができるようになりました。

在学中、篠原欣子記念財団(以後、篠原財団)の奨学金はどのように役立ちましたか?

毎月のアルバイト代から学費を捻出していた私にとって、実習期間中に収入を得られないことや、 月の収入が安定しないことが大きな不安要素でした。しかし、篠原財団の温かいご支援によって、学費面だけに留まらず、精神面まで支えていただき、安心して勉学に集中できました。
奨学金を借りず、アルバイトと学業を両立しながら無事に短大を卒業、夢を実現することができたのも、篠原財団に支えていただいたからだと、本当に感謝の気持ちでいっぱいです。

篠原財団の集合研修や研修視察旅行に参加して得たことで、今の自分に活かされていることがあれば教えてください。

集合研修や研修視察旅行に参加する度に、「福祉」という同じ共通点を持った奨学生の方々と、大学や学部の枠を越えて交流が出来て、皆さんの意識の高さにとてもいい刺激を受けながら、大きく視野を広げていけたことが、今の私に活かされていると実感する日々です。
対人援助職である保育士として仕事をする上で、実践的に学んだコミュニケーションスキルは、日々の保護者対応だけでなく、職員間のコミュニケーションにも大いに役立っており、今でも研修テキストは定期的に見返し、大切に使わせていただいています。

学生時代にアルバイトで保育補助をしていた時と今を比べ、何か違いがありますか?

学生時代にアルバイトをしていた際は、保育学生といってもまだ保育士資格が無いので、担任保育士の判断のもと指示があり、補助的な立場でクラスに入り、遊びを通して子どもに関わることが中心でした。 しかし保育士となってからは、指示される側から指示を出す側へと立場が変わり、保育補助では携われなかった「クラス運営」に中心的立場で携わり、背負う責任も仕事量も圧倒的に増えました。
日々子どもたちの成長を肌で感じながら、最も近くでその姿を見守り続ける楽しみも、保護者と共に心から子どもの成長を喜びあえる嬉しさもあります。その様に深く思えるのも、保育補助としてアルバイトしていた時代の視点、今、保育士として働く視点、と、両面から保育を見つめることができているからではないかと感じています。

就職後、初めて気づいたことがあれば教えてください。

職場は私たちのような若手の、柔軟で斬新なアイデアに期待し、積極的に受け入れ取り入れようとしてくださっています。「新人だから」「経験が乏しいから」と萎縮して変に遠慮するのはもったいない、と、自信を持ち自分の想いや考えを発信して良いのだと気づきました。

保育士を目指す方へメッセージをお願いします。

子どもにとって保育者は最大の環境と言われるように、プロとして「保育する」ためには、保育者自身も自己研鑽、つまり育ち続けていかなければならないと考えます。 学部や職種の枠を越えた人とのコミュニケーションを重ねることが、自分の価値観や保育観に大きく影響を与えた、と実感しています。一見、保育とは関係のないように思える経験にも意味があります。
自分自身の価値観が揺るがされるような体験や、視野を広げていく経験を、存分にしていただきたいと思います。
夢が実現するまでの過程で、沢山の努力と涙、時に高い壁にぶつかることもあるでしょうが、そういった時こそ、保育士になりたいと思った「初心」を忘れず「自分を奮い立たせ粘ってほしい」、そう願っています。
おなじ保育士として、みなさんとお仕事できる日を心待ちにしています!

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